判例
憲法憲法判例百選Ⅱ第8版160
住民訴訟による損害賠償
天皇と民事裁判権
全文
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告人の上告状及び上告理由書記載の上告理由について
天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であることにかんがみ、天皇には民事裁判権が及ばないものと解するのが相当である。したがって、訴状において天皇を被告とする訴えについては、その訴状を却下すべきものであるが、本件訴えを不適法として却下した第一審判決を維持した原判決は、これを違法として破棄するまでもない。記録によれば、本件訴訟手続に所論の違法はなく、また、所論違憲の主張はその実質において法令違背を主張するものにすぎず、論旨は採用することができない。
よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官
香川保一
裁判官
牧圭次
裁判官
島谷六郎
裁判官
藤島昭
裁判官
奧野久之