判例
民事訴訟法民事訴訟法判例百選第6版A24
遺産確認等請求本訴、共有持分権不存在中間確認請求反訴
既判力の縮減
全文
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人宮崎富哉の上告理由について
共同相続人甲、乙、丙のうち甲と乙との間において、ある土地につき甲の所有権確認請求を棄却する旨の判決が確定し、右確定判決の既判力により、甲が乙に対して相続による右土地の共有持分の取得を主張し得なくなった場合であっても、甲は右土地につき遺産確認の訴えを提起することができると解するのが相当である。けだし、遺産確認の訴えは、特定の財産が被相続人の遺産に属することを共同相続人全員の間で合一に確定するための訴えであるところ(最高裁昭和五七年(オ)第一八四号同六一年三月一三日第一小法廷判決・民集四〇巻二号三八九頁、最高裁昭和六〇年(オ)第七二七号平成元年三月二八日第三小法廷判決・民集四三巻三号一六七頁参照)、右確定判決は、甲乙間において右土地につき甲の所有権の不存在を既判力をもって確定するにとどまり、甲が相続人の地位を有することや右土地が被相続人の遺産に属することを否定するものではないから、甲は、遺産確認の訴えの原告適格を失わず、共同相続人全員の間で右土地の遺産帰属性につき合一確定を求める利益を有するというべきである。右と同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。
よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官
根岸重治
裁判官
大西勝也
裁判官
河合伸一
裁判官
福田博