判例
刑法刑法判例百選Ⅱ第8版116
競売入札妨害被告
強制執行関係売却妨害罪の成否
全文
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
被告人本人の上告趣意は、憲法三一条違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。なお、原判決の認定によれば、被告人は、A、B及びCらと共謀の上、徳島地方裁判所が不動産競売の開始決定をした大和ら所有の土地建物について、その売却の公正な実施を阻止しようと企て、同裁判所に対し、賃貸借契約が存在しないのにあるように装い、右土地建物は既に他に賃貸されているので取調べを要求する旨の上申書とともに、AらとB、Cとの間でそれぞれ競売開始決定より前に短期賃貸借契約が締結されていた旨の内容虚偽の各賃貸借契約書写しを提出したというのであるから、被告人に刑法九六条の三第一項所定の偽計による競売入札妨害罪が成立することは明らかであり、これと同旨の原判決の判断は、正当である。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
平成一〇年七月一四日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官
根岸重治
裁判官
大西勝也
裁判官
河合伸一
裁判官
福田博