判例
行政法行政法判例百選Ⅰ第8版109
審決取消
独禁法上の課徴金
全文
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人安江邦治、同濱田俊郎の上告理由第一点及び第二点の一について
本件カルテル行為について、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律違反被告事件において上告人に対する罰金刑が確定し、かつ、国から上告人に対し不当利得の返還を求める民事訴訟が提起されている場合において、本件カルテル行為を理由に上告人に対し同法七条の二第一項の規定に基づき課徴金の納付を命ずることが、憲法三九条、二九条、三一条に違反しないことは、最高裁昭和二九年(オ)第二三六号同三三年四月三〇日大法廷判決・民集一二卷六号九三八頁の趣旨に徴して明らかである。これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。論旨は採用することができない。
同第二点の三及び四について
原審の適法に確定した事実関係の下においては、実行期間において引き渡した商品の対価の額を合計する方法ではなく実行期間において締結した契約により定められた対価の額を合計する方法により課徴金の計算の基礎となる売上額を算定し、かつ、その際に消費税相当額を控除しなかったことが違法ではないとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
その余の上告理由について
原審の適法に確定した事実関係の下においては、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官
千種秀夫
裁判官
園部逸夫
裁判官
尾崎行信
裁判官
金谷利廣