判例
刑法刑法判例百選Ⅱ第8版75
盗品等処分あっせん被告事件
有償処分あっせん罪の成否
全文
主 文
本件上告を棄却する。
当審における未決勾留日数中140日を原判決の懲役刑
に算入する。
理 由
弁護人石坂基の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。
【要旨】なお,所論にかんがみ,職権で判断するに,盗品等の有償の処分のあっせんをする行為は,窃盗等の被害者を処分の相手方とする場合であっても,被害者による盗品等の正常な回復を困難にするばかりでなく,窃盗等の犯罪を助長し誘発するおそれのある行為であるから,刑法256条2項にいう盗品等の「有償の処分のあっせん」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和25年(れ)第194号同26年1月30日第三小法廷判決・刑集5巻1号117頁,最高裁昭和26年(あ)第1580号同27年7月10日第一小法廷決定・刑集6巻7号876頁,最高裁昭和31年(あ)第3533号同34年2月9日第二小法廷決定・刑集13巻1号76頁参照)。これと同旨の見解に立ち,被告人の行為が盗品等処分あっせん罪に当たるとした原判断は,正当である。
よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
裁判長裁判官
町田 顯
裁判官
井嶋一友
裁判官
藤井正雄
裁判官
深澤武久
裁判官
横尾和子