判例
刑事訴訟法刑事訴訟法判例百選第11版96
常習特殊窃盗被告事件
一事不再理効の範囲(2)
全文
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人金岡紗矢香の上告趣意は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認,量刑不当の主張であり,被告人本人の上告趣意は,憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
なお,被告人は,前訴で住居侵入,窃盗につき有罪の第1審判決の宣告を受け,控訴及び上告が棄却されて同判決は確定したが,その後起訴された本件の常習特殊窃盗を構成する住居侵入,窃盗の各行為は,いずれも前訴の第1審判決後,その確定前にされたものであることが認められる。このように,前訴で住居侵入,窃盗の訴因につき有罪の第1審判決が確定した場合において,後訴の訴因である常習特殊窃盗を構成する住居侵入,窃盗の各行為が前訴の第1審判決後にされたものであるときは,前訴の訴因が常習性の発露として行われたか否かについて検討するまでもなく,前訴の確定判決による一事不再理効は,後訴に及ばない。したがって,本件について同法337条1号により判決で免訴の言渡しをしなかった第1審判決に誤りはないとした原判決の結論は正当として是認できる。
よって,同法414条,386条1項3号,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
裁判長裁判官
木 澤 克 之
裁判官
池 上 政 幸
裁判官
小 池 裕
裁判官
山口 厚
裁判官
深山卓也