判例
憲法憲法判例百選Ⅱ第8版154
公職選挙法違反
選挙期間中の文書活動の制限
全文
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人坪野米男の上告趣意について。
論旨は、公職選挙法一四六条は憲法二一条に違反して無効であると主張する。しかし、憲法二一条は言論出版等の自由を絶対無制限に保障しているものではなく、公共の福祉のため必要ある場合には、その時、所、方法等につき合理的制限のおのづから存するものであることは、当裁判所の判例とするところである(昭和二四年(れ)第二五九一号、同二五年九月二七日大法廷判決参照)。そして、公職選挙法一四六条は、公職の選挙につき文書図画の無制限の頒布、掲示を認めるときは、選挙運動に不当の競争を招き、これが為却つて選挙の自由公正を害し、その公明を保持し難い結果を来たすおそれがあると認めて、かかる弊害を防止する為、選挙運動期間中を限り、文書図画の頒布、掲示につき一定の規制をしたのであつて、この程度の規制は、公共の福祉のため、憲法上許された必要且つ合理的の制限と解することができる。それ故、所論は理由がない。
よつて刑訴四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
昭和三〇年三月三〇日
最高裁判所大法廷
裁判長裁判官
田中耕太郎
裁判官
井上登
裁判官
栗山茂
裁判官
真野毅
裁判官
小谷勝重
裁判官
島保
裁判官
斎藤悠輔
裁判官
藤田八郎
裁判官
岩松三郎
裁判官
河村又介
裁判官
谷村唯一郎
裁判官
小林俊三
裁判官
本村善太郎
裁判官
入江俊郎
裁判官
池田克