判例
民法民法判例百選Ⅰ第9版49
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律違反
特約によらない中間省略登記請求権
全文
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人塚本義明の上告趣意第一点について。
所論は、被告人の本件架空の定期預金証書の作成交付行為は「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律」二条の規定する「職務ニ関シ」ないと主張する。
論旨は、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。(なお、銀行支店長代理たる被告人が、架空の定期預金証書を作成し交付する行為は、それ自体銀行の信用を貸与する行為であるというべく、被告人の右所為は同銀行の貸付業務そのものではないとしても、これに関連してなされた不正行為であると解すべきものであるから、所論の点に関する原判決はその結論において正当であるとして是認できる。)
同第二点について。
所論は、第一審判決の事実摘示が同法二条に当るか商法四九三条に当るかを区別できないものであり、従つて同判決は理由不備であるにもかかわらず、原判決がこの点につき違法の廉がないとしたのは刑訴法三七八条四号に違反すると主張する。論旨は、単なる訴訟法違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない。(第一審判決には所論の点につき理由不備の違法は存しない旨の原判断は正当である。)また、記録を調べても刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和四〇年九月二一日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官
田中二郎
裁判官
五鬼上堅磐
裁判官
横田正俊
裁判官
柏原語六