判例
民法
勾留の裁判に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告
建物の付合——賃借人のした増築
全文
主 文
本件抗告を棄却する。
理 由
本件抗告の趣意は、別紙記載のとおりである。
所論は、憲法三二条違反を主張する。しかし、憲法三二条は、すべて国民は憲法または法律に定められた裁判所によつてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の機関によつて裁判をされることはないことを保障したものであつて、裁判を行なう場所についてまで規定したものではない。このことは、当裁判所の判例の趣旨に照らして明らかである(昭和二三年(れ)第五一二号同二四年三月二三日大法廷判決、刑集三巻三号三五二頁、同二七年(し)第八号同年二月二二日第二小法廷決定、裁判集六一号五四一頁参照)。
したがつて、本件において、松江地方裁判所が憲法並びに法律に定められた裁判所である以上、その裁判官が裁判所の庁舎外において勾留質問を行なつたからといつて、右憲法に違反するものでないことはいうまでもなく、論旨は理由がない。
よつて、刑訴法四三四条、四二六条一項により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和四四年七月二五日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官
田中二郎
裁判官
下村三郎
裁判官
松本正雄
裁判官
飯村義美
裁判官
関根小郷