判例
民事訴訟法民事訴訟法判例百選第6版106
貸金等請求事件
不服の限度
全文
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人三森淳、同安藤順一郎の上告理由第一点について
主位的請求を棄却し予備的請求を認容した第一審判決に対し、第一審被告のみが控訴し、第一審原告が控訴も附帯控訴もしない場合には、主位的請求に対する第一審の判断の当否は控訴審の審判の対象となるものではないと解するのが相当であるから、これと同旨の見解を前提とする原判決は正当であり、また、記録にあらわれた本件訴訟の経過に徴すれば、原審が所論の点について釈明権を行使しなかつたとしても審理不尽等所論の違法があるとは認められない。論旨は、ひつきよう、独自の見解に基づいて原判決を論難するか、又は原審の裁量に属する審理上の措置の不当をいうものにすぎず、採用することはできない。
同第二点について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして是認できないものではなく、原判決に所論の違法があるとはいえない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は原審において主張しない事実を前提として原判決の不当をいうものであつて、採用することができない。
よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官
伊藤正己
裁判官
横井大三
裁判官
木戸口久治
裁判官
安岡滿彦